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喫煙者はピルを服用できない理由

ピルとタバコの相性は最悪です。
喫煙しながらピルを服用すると、血栓症を起こす可能性が高いからです。
血栓症とは血液が固まることにより血栓と呼ばれる血の塊ができ、それが血管を塞いでしまう症状のことです。
正常な状態なら血栓は傷口を塞いで止血する役割を果たすと自然に溶けて無くなります。
しかし血管が細かったり血管収縮が起こったり、血液の流れが弱かったり、血液自体がドロドロだとその血栓をはがすことができず、血管内を詰まらせてしまいます。

もともとピルの主成分であるエストロゲンは、血液が固まる(血液凝固作用)性質を持っています。
喫煙もこれと同様に血液を固まりやすくしたり、血管収縮を起こさせたり、血管を細くさせる作用があります。
またタバコのニコチンはビタミンを破壊し、血液の流れを悪くします。
つまり喫煙者がピルを服用するということは同じ作用のものが二つ同時に起こることになるのです。

血栓症になると先ほど述べたように血の流れが止まってしまいますので、その先にある物が壊死して(腐って)しまいます。
また血栓がうまく剥がれた場合でもその塊が血管の中を移動し、毛細血管(細い血管)の多い心臓や脳で詰まり、心筋梗塞や脳梗塞、肺塞栓症などを引き起こすことになりかねません。

これらのことから、日本では一日に15本以上タバコを吸う喫煙者で35歳以上の人はピルは服用禁止となっています。
10万人の女性が1年間に死亡リスクを1とすると、喫煙者の死亡率は167倍と高い確率の調査結果も出ています。
また高血圧症の方でピルを服用している喫煙者は、高血圧症がない方と比べると死亡リスクが10倍程度、脳出血は3倍程度という報告もあります。

もともと日本人は欧米人に比べると血栓症にかかる可能性が非常に低いと言われていますが、それでも喫煙者、肥満、高年齢の人はリスクが高まる危険性があります。
また「15本」や「35歳」という数字もあくまで目安です。
ピルもタバコも毎日のことですので、ピルを飲むならタバコはやめたほうが賢明です。

受動喫煙もピルの服用は危険?

受動喫煙とは、自分の意志に関わらず他人が吸うタバコの煙を吸わされてしまう事をさします。
タバコには200種類もの有害物質(うち約70種類は発がん物質)が含まれています。
とくにタバコの煙で問題になるのは喫煙者が吸い込む主流煙よりもタバコの先から立ち昇る副流煙です。
副流煙には主流煙よりもずっと多くの有害物質が含まれているからです。

現在、受動喫煙のために血栓ができやすくなるという研究報告は見受けられません。
ですが元々受動喫煙者に対する持続的な研究自体がまだ十分ではないのが現状ですので、この結果を鵜呑みにするのも不安が残ります。
もしかしたら将来受動喫煙者に対しても、服用禁止の項目が出てくるかもしれません。

なぜならタバコの三大有害物質を比較した場合、主流煙を1とした場合、副流煙にはニコチンとタールが約3倍、一酸化炭素が5倍近くみられます。
ニコチンは神経毒性を持ち、末梢血管を収縮させ血圧を上昇させます。
一酸化炭素は体が酸素不足になり、活動量が低下し疲れやすくなり、動脈硬化を促進する作用があります。
これらは先ほど述べた血栓症を起こす要因にあげられるものに当てはまります。

つまり近年の受動喫煙の人体に対する影響を鑑みるに、危険性は否めないと考えられます。
また高血圧症の方でピルを服用している非喫煙者は、高血圧症がない女性と比べると3倍程度の死亡リスクがあるとされています。
他にも自分自身に肥満や他の疾患があったり、親族に血栓症の人がいたりすると、血栓症のリスクが二重三重になりますので十分な注意が必要です。

これらの事よりピルを服用するのなら、喫煙はもちろんの事、受動喫煙にも十分な注意を払うのがよいと考えられます。

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